新選組!(昨日の続き)

竜馬がゆく」は、もし読んだことのないお父さんがいたら、買って読ませてあげるといいです。きっと我がことのように感動します。昨日の補足としてひとことでした。

竜馬の『自由』は藩という後ろ盾の無い、ある意味『放逐』だから、ほかの藩の浪士みたく「自藩があっての国家語り」が出来ない。「自分という人間があっての国家語り」になる。ので、土佐藩としての坂本竜馬ではなく、日本人としての坂本竜馬で在るしかないのだろう。それは今現在の感覚では当たり前のことなのだけど、当時としては斬新な考え方だったんだろう。それが、ドラマ上、ひとりだけ未来が見えている人のように表現されてしまうんじゃないかな。

池田屋の事件は、どちらが悪いとか決め付けて描かれていなかったので、面白かったです。倒幕派が悪いとか、新選組が悪いとか、そういうレベルじゃない。でもそういう勧善懲悪で描かれているドラマや映画が多かったから、いろいろ観てるとしまいには飽きてくる。それが、今回の大河には無かったから良かったです。

近藤さんが八木さんに、浪士討伐について相談するところは、京都警備のための新選組という姿を表現したかったのかな。宮部以下各藩浪士は「政治的理由のもとには、京の人民の命もやむなし」で、新撰組は「人民の命が優先」だと。

永倉新八ええかっこしいでムカつく。永倉さんって「燃えよ剣」のときもすました態度でいけ好かない奴だと思ったけど、ドラマもいいとこどりで感じ悪いー!もっとふわっふになれ!

石黒賢のスタジオパークも見ました。見なきゃよかった……これがはてな各所で言われている「ネタばれするな!」の気持ちなんですね。桂さんが一度池田屋に行ったけど戻ったという話は読んだことあります。でもどうやって戻ったかってのはドラマのネタばれになってくるんだから、放送しないで欲しかったよ。

土方と斎藤?の会話のシーン、「今日は宵山、昨日は宵々山」「じゃあおとといはヨイヨイヨイ(土方が言うと漢字に聞こえない)山か」と、鼻で笑ってまぜっかえすところ!この無粋男!中学生レベルだよ。かわいいなあ。枝葉末節にひっかかる、根性細かい鈍ちん感性がたまらん。

池田屋のシーンは緊迫感がなかった。リアリティはあったかもしれないが、剣戟を持ち込まずともスリルの表現は可能なんだから、もっと冷や汗握ってテレビを見たかった。