同人誌錬金術

ずっとまえに、ヤスコが「同人誌に手を出そうかな」といっていたときの話。
「B5サイズで28ページでぇ、フルカラーでぇ、表紙抜くと中身24ページっしょ。1ページ目は本のタイトルのロゴをでっかくいれて、裏のページは隅っこに3行くらいでコメントいれる。3ページ目は表紙をドット荒くして拡大コピーとか加工して、4ページ目は真っ黒に塗りつぶす。後ろのページは奥付で1ページ、あとがき5行くらいで1ページ、タイトルロゴ(またか!)で1ページ、真っ黒(またまたか!)で1ページ、でぇ8ページ稼げるでしょ。残り16ページ漫画とか絶対無理だから、1ページ漫画を4本くらいと、間にフリートークページいれてぇ、あと通販情報と、サイト情報を1ページずついれてぇ、ページがあわなかったらとにかくタイトルロゴページ(出たよ)と真っ黒ページ(……)いれてぇ、下書きイラストページいれてぇ、実質漫画は10ページくらい?簡単じゃん」

結局ヤスコのことなので実現はしなかったけど(そもそも漫画描けるかどうかすらあやしい。1枚絵はそこそこ上手いんだけど。同人誌なんて大手サークルで買うか古本屋で買うくらいだし、コミケシティのたぐいのイベントに2年に1回行けばいい人)、当時は本気で言ってた。きいててめまいしたし、ありえないと思った。あとに私が本作ると言ったときも、その手法を本気で薦めてきたので全力で断った。
それで気がついたんだが、道理で最近の同人誌の中身が薄く感じるわけだなと。ライト層のヤスコが中身の薄い本の作り方を何の抵抗もなく考えて実行に移そうとするんだから、実際本を作ってるサークルがやらない手はないよな。華やかなジャンルに行って、華やかな絵のところで試し買いすると、上記のような読むとこが少ない本にあたる。漫画は大ゴマで1ページにつき3コマくらいだし、まさに読んだ気しねえ。
でも実際は売れてる不思議。引きこもりニートでも小遣い稼ぎになるね。なんもせずネットやゲームしてる子よりはよっぽどいいと思う。買わんけど。